6月のうっとうしい梅雨の時期から7月の終わりにかけて、あちらこちらでブルーの涼し気な姿を見せてくれるアガパンサス。小さな花が集合して咲いているので、とてもボリュームがあって見応えバツグンですよね。
私も園芸店でひと株買ってきて、大きくなることを楽しみにしながら庭に植えたことがあるのです。ですが、葉が茂るばかりで、何年経ってもまったく花が咲かなかったという苦い経験があります。ご近所で庭いっぱいにアガパンサスを咲かせているおうちを見ると、うらやましいやら悲しいやら(笑。
というわけで、「次はもう失敗しないぞ!」と意気込み、アガパンサスのじょうずな育て方を調べまくりました!私とおなじく花が咲かない、育て方がわからない方の参考になればうれしいです。
ぜひ最後までごらんください~。
アガパンサスってどんなお花?
まずは「彼を知り、己を知れば…」、孫子の兵法じゃないですけど、アガパンサスがどういう植物なのかを知っておかないと、育てようがないですよね。
ですので、アガパンサスとはどういう植物なのかを調べてみました。
アガパンサスの基本情報
- 学名:Agapanthus
- 和名:ムラサキクンシラン(紫君子蘭)
- 科名 / 属名:ユリ科 / ムラサキクンシラン属(アガパンサス属)
- ※ネギ科、ムラサキクンシラン科で分類されている専門書もあります。
- 開花期:5月末~8月初旬
- 植え付け:3月~4月、9月~10月
- 肥料:お花の咲いていない時期にあげると良い。(鉢植えの場合は開花初期でもOK)
アガパンサスは常緑性で1年中緑の葉を茂らせるものと、冬は葉を落として休眠するものがあります。常緑のものはグランドカバーとしても使えますね。
昔はアガパンサスといえば、薄紫の背丈が1メートルほどの品種しか見なかったのですが、今では品種改良や交配などで300以上の品種があります。
背丈は30センチくらいの品種もあります。小鉢でも育つのでベランダに置いてもいいですね。
アガパンサスはすごく丈夫で、植えっぱなしでも育ちます。初心者でも失敗の少ない植物だというのに、葉が枯れて花が咲かないのはどこかに原因があるはずです。
次はそれを突き止めましょう!
アガパンサスの育て方
初心者でも育てやすいアガパンサス。きちんと育て方をマスターすれば失敗なくお花を咲かせられます。
日当たり
日当たりを好みます。朝だけ日当たりが良いお庭でも十分です。半日陰、日陰でも育ちますが花つきが悪くなるため、できるだけ日の当たる場所がベスト。
水やり
水はけの良い土地を好みます。地植えの場合はほとんど水やり不要ですが、鉢植えの場合は他の植物同様、乾いたらたっぷりあげます。
肥料
地植えの場合は花つきが悪い以外は必要ありません。鉢植えの場合は、花が咲く前と花が終わってから月に1回程度、固形肥料を与えます。
土壌
やせた土地でも育つ丈夫な植物なので、市販の草花用培養土で十分ですが、水はけを良いものを選びます。
株分け
鉢植えの場合、根がきゅうくつそうにしていたら株分けをします。植え替えをするタイミングだと効率よく増やせます。
株分けは、お花の咲いていない時期をのぞけばいつでもOK。ハサミではなく手でザクッと分けるとダメージが少なくてすみます。
害虫と病気
アガパンサスは病気がほとんどありません。丈夫です! 虫は時々アブラムシがつく程度ですので軍手をはめて取り除くか、オルトランなどを株元にまいておけば大丈夫です。
アガパンサスの花が咲かないのはなぜ?
そもそも植物が花をつけるのはなぜだか知っていますか? それは子孫を残すためです。
私はむかし、お花屋さんでさえ花を見たことがないという、ある植物のお花を咲かせたことがありました。すごくうれしかったので、その花の写真を撮ってお花屋さんに見せに行きました。
すると、お花屋さんはとても喜んでくれたのですが、
すごい! 初めて見ました! 植物が花を咲かせるのは子孫を残すためなので、よほど絶望的な環境だったんでしょうね…。
と、褒められているのかイヤミなのかわからないことを言われて、顔がひきつった記憶があります(笑。
アガパンサスは初心者でも育てやすいとても丈夫な植物。
その植物の花が咲かないというのは、耐えられないほどの絶望的な環境、そう、子孫を残すどころか、自分が生きていけないほどの過酷な環境だったということです。
アガパンサスが子孫を残せないほどの過酷な環境とは次のとおりです。
- 日当たりが悪すぎる
- 水はけが悪く、土が過湿しているため根が腐る
ちょっと植物には可哀想なくらいの過酷すぎる環境ですね…。
さらに、アガパンサスは小さな苗から育てた場合、環境によっては花が咲くまで2~3年かかることがあります。その間に日当たりが悪すぎたり、水はけが悪すぎると根が腐って枯れてしまいます。
日当たりの良い場所に移して、水はけの良い土に入れ替えてあげましょう。
アガパンサスの葉が黄色くなっているのはなぜ?
アガパンサスの葉が黄色くなったことはありませんか? アガパンサスの品種によっては、冬は葉を落として休眠するものもあります。その場合は、春にはまた緑の葉がでてきますので心配はいりません。
ただ、アガパンサスの葉が全部黄色くなってしまい、株全体が弱々しい場合は水やりのしすぎかもしれません。
アガパンサスの原種は南アフリカの乾いた土地です。土地が乾いてもすくすく育ちます。その反面、土が湿った状態では根腐れを起こすので、葉が黄色くなって枯れていきます。
地植えの場合水やりは必要ありませんが、鉢植えの場合は土が十分乾ききった状態で水やりをしましょう。
アガパンサスの品種
アガパンサスは青色のお花ばかりかと思いきや、白のお花もあります。
開花がちょうど6月なので、ジューンブライドのブーケとして使われるほど人気があります。
ここではメジャーな品種をご紹介します。
オーシャンブルーは、公園でもよく見かける一番ポピュラーな品種です。
背丈がとても高くなります。
シルバームーンのお花はブルー系なのですが、葉の縁が白くなる斑入りの品種です。斑入りの葉は、花のない時期でもグランドカバーとして楽しめ、暗くなりがちな地面が明るくなりますよね。
白い花が咲くアガパンサスです。ブルー系もきれいですが、白もさわやかでいいですね。
ヘドボーンハリブリッドは、耐寒性が強い品種で、冬には葉を落として休眠します。やや濃いブルー系です。
みんなでアガパンサスを育てよう!
手がかからず初心者にも簡単に育てることができるアガパンサス。
地植えなら植えっぱなしでも丈夫に育ちます。害虫に悩まされることも少ないので虫の苦手な人にも育てられますね。水やりに注意しながらきれいなアガパンサスの花を咲かせましょう!