「う~~ん、悪いもんの影ではないんやけどなぁ」
エコーで私の胸を診ている乳腺専門の先生が首をひねりながらこう言いました。
しこりがあるのは触診でハッキリわかっていましたが、エコーではがんのような悪い影ではないと言われました。
結局、3件目の病院でわかった私のしこりは、乳腺炎が重症化した「乳房膿瘍」でした。最終的には皮膚に穴が開いてドボドボと膿が出てくるほどのひどい状態。
今日は重症化した乳腺炎「乳房膿瘍」について、しこりの発見から手術、治療費のことを書こうと思います。
左の乳房に違和感を覚えた
ある日の夜、お風呂に入ろうとしてブラジャーを外し、なんとなく見た左の乳房の一部が赤くなってるような気がしたんです。
あれ、なんやろ?と思って触ってみるとゴツゴツとしたしこりがありました。
ひぃぃ、いつの間にしこりが出来たん?!
びっくりしてオットにこのことを言いに行きました。オットもびっくりしていましたが、明日病院に行こうと言ってくれ落ち着くようにと話をしてくれました。
しこりが出来てる…。それはイコールがんを意味してる?いやいや、そんなはずはない。なんか違うデキモンができたんや。
そう思うことにしてお風呂に入り、その日は寝ました。
1件目の病院は「わからない」
翌日、レディースクリニックへ行ってきました。そこは前に乳がん検診で何度か行ったことがあるので、今回も診ていただくことに。
診察室に入ってエコーで診てもらいましたが、先生は首をひねるばかり。そして私のしこりの部分を触りながら、
「ここ、熱もってるよねぇ。う~ん」
と言い、エコーの画面を見たり、しこりを触ったりしていたんですが、挙句の果てに「ちょっと僕ではわかりませんので、僕の知ってる乳腺専門医で診てもらってください」と言われました。
ええ~~、わからんってどういうことよ?
せっかく1時間半もかけて診てもらいに来たのにわからんってなんで?
結局、受付で紹介状をもらいその病院をあとにしました。帰りのバスの中で泣きそうになりました。
2件目の病院は「悪いもんではないけどなぁ」
紹介状をもって、別の日に乳腺専門医で診てもらうことに。この先生は1件目の先生と違って乳腺専門なので、今度こそこのしこりが何者かわかるやろうと、怖いけど答えが聞けるやろうと思っていました。
しこりが熱をもっていて、その部分の皮膚も赤くなったままでしたし、しこりはますます大きくなっていました。
先生はエコーで画面を見ながら、「悪いもんではないと思います。こんなしこりが急に大きくなってなおかつ熱を帯びてるので、何かの炎症を起こしてるんだと思います。」とおっしゃいました。
炎症・・・?おっぱいの中で?
そ、それってガンですか?
と聞いたら、「このしこりの境目がね、ガンのしこりの境目とは全く違う顔をしてるんですよ」、と言ってまた怖い顔をしていました。
私は不安で不安でしょうがなかったんですが、先生の先輩というある総合病院の院長が乳腺の、これまた専門医だというので、またまた紹介状をもらってその総合病院へ行くことになりました。
はぁ、もう次3件目やん・・・。なんでわからんのやろ・・・。
3件目の総合病院でやっと病名判明
2枚目の紹介状を持って、総合病院の院長先生に診ていただくことに。もうこの病院でなんとかしてくれ~~と願いつつ、エコーを眺めてる先生をじっと見ていました。
中に水分か、膿が溜まってますね
そ、それってガンですか?
ガンの顔をしてない。ガンじゃないよ。炎症が起こって膿が溜まってる
が、ガンじゃない。もうこの時の嬉しさって例えようが無いです。
でもおっぱいは赤黒くなって、しこりはドンドン大きくなっています。
皮膚にちょっと穴を開けて、ドレーンで中の膿を出しましょう
穴を開ける?開けるってどうやって?
おまけに出す?出すって何を?
相当私の顔は怖さで顔が引きつっていたらしく、先生が優しくこう言いました。
次の診察の時に皮膚に少し切れ目を入れるで。そこから膿を出すから大丈夫
これはガンでもなんでもなく、乳腺炎が重症化した「乳房膿瘍」でした。大きなしこりは膿をためている炎症らしいです。
水分?膿?そんなものがこの小さいおっぱいに溜まってるのか…。ガンじゃないという安心と、溜まってるものを出すという未知の世界を想像すると怖くて怖くて仕方がなかったです。
ブラジャーを外したら膿がドロドロ出てきた
それから次の診察の数日前の夜、お風呂にはいろうと思いブラジャーを外したら何やら左のおっぱいが濡れてる。あれ?なに?
そこで見たものは、皮膚に数ミリの穴が開いていて、そこからドロドロとした血の混じった膿がボトボト出ていました。
ぎゃぁぁぁぁぁぁ!
あ、あ、穴が開いた!!!
う、う、膿が出てきた!!!
ものすごく怖い光景を目にした私は脱衣所で叫びまくりました。オットが飛んできて、慌ててティッシュで押さえましたがティッシュがじっとり濡れてくるのがわかります。
それでも押さえ続けたらなんとか吹き出すのがおさまってきたので、大きめのバンドエイドを貼って寝ました。そしてそのドロドロの膿が出たあと、ちょっとしこりは小さくなっていて痛みも少し引いたんです。
あ、やっぱり膿が溜まってたんや
膿がホンマに出てきたことでガンじゃないとわかり、ちょっと安心しました。
次回の診察まで待てなかったので、翌日病院へ。
バンドエイドを外して院長先生に患部を診てもらうと「出たか出たか」と、盆踊りのお月さんみたいに言われました。
そこへ院長先生は細長いドレーンという医療用の細い管を持って来て、おっぱいの穴へ差し込みました。ボトボトとその管から膿が出ていきます。
何回かこうやって膿を出したらしこりも小さくなってるし、あとは手術して全部出してしまおうな
とお医者さんは言って、後日手術をすることになりました。
私のしこりの原因は「重症化した乳腺炎、乳房膿瘍」で、何らかの原因で菌が入り込んで乳腺に膿が溜まって炎症が起こっていたということです。
どちらにせよ、この炎症は切開して膿を出さないと治らないそうで、手術が必要になります。
その日はドレーンで膿を出したあと、消毒をして大きなガーゼで患部を覆ってくれました。お風呂は入れますが、胸が濡れないように注意しないといけなくなり、かなり不便でした。
手術当日といきものがかり
しこりは膿がほとんど出たことで小さくしぼんでいました。手術は局所麻酔で出来るそうなのであまり不安はなかったです。
手術自体が初めての経験だったので手術室にある大きな照明がドラマのようで「ホンマにこんな照明あるんやぁ」とのんきに眺めていました。
手術は麻酔と最後の処置までで1時間くらいで済んだんですが、手術台に寝た時、頭のすぐ後ろのCDプレーヤーからいきものがかりの「ありがとう~」というゲゲゲの女房の主題歌が流れていたんです。
手術室に音楽が流れてるのが不思議だったので、理由を聞くと患者さんが不安に思わないようにとの配慮だそうです。
看護師さんに「だれか好きな歌手いますか?好きなCDかけますよ」って聞かれましたが、私はほとんど洋楽のロックしか聞かないので
BON JOVIが好きです
と言いたかったんですが、激しいロックのリズムで手術されても恐ろしいので、いきものがかりが好きですと言っておきましたww
ほな、この曲でええか?緊張せんでええからリラックスしててな。
と優しく言ってくださり、手術は痛みもなく無事に終わりました。
消毒のための通院とかかった治療費
術後、1ヶ月ほど消毒のために通院しました。その後は再発もなく薄っすらと手術跡が分かる程度です。
手術費用と検査費用、すべて健康保険適用だったので家計の負担になるほどではなく、1件目の病院の検査費用から手術、最後の消毒の通院まで全部入れても3万円ほどでした。
メットライフアリコの医療保険に入っていたので、手術もしたことだしもらえるお金があるか確認しましたが、この乳房膿瘍は適用外と言われました。
メットライフアリコの役立たずめ!ぶひ!
この乳房膿瘍の原因はわかっていません。何らかの原因で菌が入り炎症を起こして膿が溜まったということだけ。
でもしこりをみつけたらすぐに乳腺専門医に診てもらってください。私の場合は炎症で済みましたが何事も早期発見が一番ですから。